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図書館のつぶやき

学生アルバイト含め図書館スタッフ約10名が交替で担当する本の紹介コラム、企画展示や各種イベントのお知らせなど、もろもろのご案内を掲載しています。

図書館スタッフ

北海道教育大学附属図書館釧路館のつぶやきです。

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釧路館の新着本などを並べています。

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2015年07月13日(月)

みなさん、こんにちは。

みなさん、こんにちは。教員の竹内です。4月から図書館長となりました。みなさんにとって利用しやすく、施設設備の充実した図書館になるよう、努力して参りたく思っております。
さて、今回は私から、ごく最近出た本2冊をご紹介したいと思います。

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①荒 美有紀『手のひらから広がる未来』朝日新聞出版、2015年3月
 著者の荒さんは、大学4年生の時に難病「神経線維腫症Ⅱ型」を発症して、数カ月のうちに聴力と視力を失ってしまいました。闇と静寂の中、いったんは深い絶望の淵に落ちましたが、家族や医療関係者の温かいケアーによって、生きる喜びと希望とを取り戻してゆきます。困難に立ち向かう強い意志とか懸命の努力とかいったことよりも、荒さんが残された感覚を使って人とのつながりを維持してゆくさまを驚きをもって読みました。人間存在の意味とそれを確信する人々の善なる心がとても美しく感じられる、心動かす本です。

②伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』光文社新書、2015年4月
 著者の専門は美学、現代アートです。その話もさることながら、目が見えない人の感覚世界、運動や言葉について本書は驚くべき知識を与えてくれます。例えば、近頃なんにでも使われるタッチパネルが彼らにはどれほど逆に不便であるか、言われてみて初めて気が付きます(ガラケースマホだと使えることは上の荒さんも言っています)。そして近頃よく見かける「障がい者」という表記に根本的な問題があるという指摘は、たいへんに説得力があります。「ものの見方」はどうあるべきか、「ものの考え方の方向性」はいかにあるべきかを教えてくれる快著と言うべきでしょう。

なお、この2冊を読むならば、順番としては荒さんの本を読んでから伊藤さんの本へ進む、というのがよいと思います。問題とその解決という道筋にもなりますし、何より我々自身のことにつなげて考えやすくなります。2冊とも好著です。おすすめしましょう。