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図書館のつぶやき

図書館のつぶやき

学生アルバイト含め図書館スタッフ約10名が交替で担当する本の紹介コラム、企画展示や各種イベントのお知らせなど、もろもろのご案内を掲載しています。

図書館スタッフ

北海道教育大学附属図書館釧路館のつぶやきです。

 

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としょつぶの本棚

釧路館の新着本などを並べています。
 

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2019. 07. 26

なめこ文學全集 「なめこでわかる名作文学」

みなさんこんにちは、図書館職員のTです。
7月ももう後半ですが、ずっとスッキリしない天気ですね・・・
釧路に夏はいつやってくるのでしょうか。
霧や雨ばかりで部屋の湿気がすごいのできのこでも生えてきそうです。

ということで、今回ご紹介するのはこちら

『なめこ文學全集 
なめこでわかる名作文学』


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なめことは・・・
スマホアプリ『なめこ栽培キット』シリーズで人気となったあのなめこのことです。
みなさんも一度はやってみたことがあるのではないでしょうか?

わたしも数年前に流行ったときに栽培していましたが、そのなめこが文学・・・?

ぬいぐるみやいろいろなグッズになっているのは目にしたことがありますが、
なめこと文学がどう関係あるのか?気になる中身は・・・

ゆる~い表情の癒やし系のなめこたちが(驚くほどいろいろな種類のなめこがいます。)
有名文学作品を題材に、登場人物たちをんふんふ再現しています。

「タイトルは聞いたことがあるけど読んだことはない」
「この作品ってどんなはなしだっけ?」


ダイジェスト的にまとめられているので、実際に原作を読みたくなる作品でした。

特に文学に今まで馴染みのなかった方や小さなお子様にぴったりかなという印象です。

普段本を読まない方もこのなめこをきっかけに、原作をよむいい機会になるのではないでしょうか。

なんとこの『なめこ文學全集』現在6巻まででており(釧路館には4巻まで所蔵)、
そのほか『世界文学全集』まででているではありませんか。


日本のみならず世界まで・・・なめこおそるべし

まだまだじめじめとした天気はつづきそうですが、湿気に負けずかわいいなめこたちを読んでみてください。

2019. 07. 03

『博士の愛した数式』

みなさん,こんにちは。
図書館職員のYです。

今回私が紹介する本は,
小川洋子著『博士の愛した数式』です。

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このタイトルを見て,どんな本だと思いますか?
「数式?」「数学?」「難しそう!」
いえいえ,そうではありません。
本の中では,様々な数学用語が飛び出しますが,数学メインのお話ではありません。
この物語は,ある家政婦とその息子が,数字を愛している一人の男性に出会った奇跡の物語です。

ある日,主人公の家政婦は,記憶が80分しかもたない博士のところに派遣されます。記憶力がない博士にとって,彼女は常に“新しい”家政婦です。
博士は数字にしか興味がなく,誕生日や靴のサイズなどを彼女に尋ねます。
ある時,その家政婦に子どもがいることを知った博士は,その子どもも一緒に連れてくるように言いました。
はじめは戸惑いながらも,3人で過ごす時間が心地よいものに変化していきますが・・・。

悲しくも温かい,感動の作品です。

この温かい作品を,みなさんも一度,手に取ってみませんか?
映画にもなっているので,興味のある方は是非そちらもご覧ください!

2019. 05. 31

世界一美味しい煮卵の作り方

みなさんこんにちは。図書館職員 I です。

私がご紹介させていただくのは 新書には珍しいレシピ本です。

世界一美味しい煮卵


世界一美味しい煮卵の作り方-家メシ食堂ひとりぶん100レシピ-

この春、親元を離れ一人暮らしになり初自炊経験をしている方も多いのではないでしょうか?
最初は張り切って自炊を始めてみても、実際に毎日毎日、食事を自分で考えることは案外大変なものです。

予算の決まった中で、考えながら食材を買い → 調理 → 調理に使ったもの・食べた後の片付け・・・。
本当に大変なことですが、手軽なコンビニ弁当・外食だと予算も尽きてしまうし、飽きてしまうでしょう。

そんな時に是非!!  
タイトルが「煮卵」となっていますが・・・読んでみると「煮卵」だけ ではありません。

こちらの本で紹介されているもののほとんどが 『一人分』 で 『低価格』 で 『簡単』 作れるもの。
簡単で美味しいが一番!!

一度、本を見ておくと、食材の買い出しに行った際に あれを作ってみようかな!? とレパートリーの幅が
広がるはずですし、男性も「弁当男子」という言葉ができ、共働きが主流になってきているので これからの
生活の役に立つことでしょう・・・。

今はスマホのアプリなどでたくさんのレシピの閲覧も可能な時代ですが、
このような開くだけで 『 お腹が空いてきそうな本 』 からでも、本を開く きっかけの一つになって頂けたらと思います。

2019. 05. 14

『授業の腕をあげる法則』

向山洋一『授業の腕をあげる法則』(明治図書 昭和60年(1985))

佐野図書つぶ

昭和61年(1986)4月、22歳の私は中学校教員として、スタートを切りました。
教員になる前に先輩からすすめられた1冊が『授業の腕をあげる法則』でした。

大学時代の「理想の教育とは」とか「学校とは何か」とかいった理念や、
国語に関する専門的知識については学んでいたのですが、いかに教えるのかという教育技術については全くの無知でした。

教育技術について、実に平易で明快に書かれています。
学生の皆さんには教壇に上がる前にぜひ目を通してもらいたい1冊です。
この本の内容は、ベテラン教員が経験から口伝えで若手教員に伝えていたものを向山洋一が整理したものです。
本にある「授業の原則十カ条」は、授業の基本の基本です。

第一条 趣意説明の原則
指示の意味を説明せよ。
第二条 一時一事の原則
一時に一事を指示せよ。
第三条 簡明の原則
発問・指示は短く限定して延べよ。
第四条 全員の原則
指示は全員にせよ。
第五条 所時物の原則
子どもに活動させるためには、場所と時間と物を与えよ。
第六条 細分化の原則
指導内容を細分化せよ。
第七条 空白禁止の原則
たとえ一人の子どもでも空白の時間をつくるな。
第八条 確認の原則
指導の途中で何度か達成率の確認をせよ。
第九条 個別評定の原則
誰が良くて、誰が悪いのか評定せよ。
第十条 激励の原則
常に励まし続けよ。


この原則を意識し、実践するだけで、教室は変わります。

向山洋一さんは、当時、東京都の一小学校でした。
彼を中心とした「教育技術の法則化運動」は全国に広がりを見せ、学校教育に新風を巻き起こしました。
この運動は現在TOSSに継承されています。

私のまわりにも、この「教育技術の法則化運動」に熱心に取り組む方がいました。
小学校の実践が多く、中学校は当時「荒れた学校」の時代でしたから、私はのめり込むことはありませんでした。

「教育技術の法則化運動」に対して、当時の教育界では批判する人が多くいました。
教育理論を持たずにただ技術的なことを追求するのは本末転倒ではないか。
教育技術についても創意工夫しながらいろいろな方法を検証し、新しい方法を生み出していくことが大切ではないか。
「法則化」による限定は教育の創造性を狭めるものである。いずれもごもっとも意見でした。

しかし、いくら高邁な理念をもっていても、教える技術がなければどうやって教室をつくっていけばいいのでしょうか。
理念も大切ですが、技術も大切なのです。理念も持つ。技術も持つ。そういった教員が求められているのです。

『授業の腕をあげる法則』には、生徒指導にも関連する項目も多くあり、「授業」にとどまらず教員として子どもたちに接するためのことが書かれています。

時代は令和になりましたので、昭和の時代に発行されたこの本は古典的名著と言ってもいいかも知れません。
学生諸君に手にとってほしい1冊です。

(釧路館館長 佐野 比呂己)

2019. 03. 28

ラスト、としょつぶ

金 文京
『水戸黄門「漫遊」考』
講談社学術文庫、2012年(原著は新人物往来社、1999年)


『水戸黄門「漫遊」考』


 30代以上の人ならテレビの時代劇でおなじみ、水戸黄門が助さん格さんらを伴って全国を歩き、
悪い奴らを懲らしめるお話を取り上げた本です。

時代劇『水戸黄門』は、1969年から2011年まで続いた恐るべき長寿番組で、
なぜかボレロのリズムを使ったインパクト大のテーマソングも含め、多くの日本人が知っているものでございましょう。

水戸黄門、お名前でいえば徳川光圀(1628~1700)が実際には諸国を回ったことはなく、
時代劇の話はあくまでもフィクションだ、というのはテレビドラマの熱烈な視聴者でもだいたいご存じのとおりでありましょう。

歴史的な立場からはもちろんそれでバッサリ斬って終わっていいわけですが、それじゃあ面白くない。

いったいどうしてこんな話がつくられたのかを追究すると、いろいろとおもしろいことが見えてくるのです。

水戸黄門の話にはいくつか特徴があります。
まず、実際には高い身分で権力を持った人間が正体を隠して行動していること、
広い地域にわたって活動すること、そして、ストーリーとしては悪党退治であること、です。

こうした特徴を持った水戸黄門の諸国漫遊話について考えてみると、実は背後に広がる世界はとても広く、
国際的な要素を持ったものでさえあることが、この本には豊富な例を引きつつ述べられております。

高い身分の人が隠密行動をとるというのは、日本ならば古く、鎌倉時代に北条時頼が諸国を歩いたという伝説があります。
佐野で貧しい武士の心のこもったもてなしを受けたという「鉢の木」の話は有名です。

また、本書では、俳人の松尾芭蕉が実は幕府のスパイであったという説にも触れます。
『奥の細道』はまさにそのスパイ活動記録というわけですな。海外では朝鮮半島に似た例があります。
王の命を受けて全国を監察して回った暗行御史なる役職があり、まさに水戸黄門同様、地方の悪党を退治します。
この暗行御史ですが、日本で漫画になっているんですね、びっくりしました(月刊サンデーGX掲載。「新暗行御史」)。
これはアニメにもなっているそうです。但し、「暗行御史」を「あんぎょうおんし」とふりがなをふっているのはいかんなあ。
御史は中国に紀元前から存在する役人監察の職名で、うちらの業界では「ぎょし」と呼んでおります。

韓国ではもちろんドラマになっていまして(「暗行御史(アメンオサ) パク・ムンス」)、
例によってイケメンと美女のドラマのようですねえ。

中国では、本書では触れていませんけど、清朝の康熙帝(1654~1722。在位1661~1722)が地方をめぐって悪い役人を懲らしめる話がありまして、これもドラマになっていて「康熙王朝」というタイトルです。
もちろんフィクションです。

そこまでいかなくても、名裁判官として名高い北宋時代の包拯(ほうじょう。1000~1062)が、
正体を隠して自ら捜査に乗り出し事件を解決するという話もあります。
ついでにいうとこれもドラマになっていて「開封府」というタイトルで、スカパーで再放送の真っ最中(2019年3月現在)。
この包拯については本書でも詳しく触れていまして、特に彼が実際には高い身分であることを証明する剣とメダルを持っているというのは、水戸黄門にとっては印籠に当たるものですから、プロットの共通点に驚きます。

ま、そんなこんなで、水戸黄門の諸国漫遊話と似た話がアジアにいろいろあることが豊富な実例によって語られていきまして、
そこはまことにおもしろい。
そしてまた興味深いのは、この水戸黄門の諸国漫遊話は明治以降に急速に広まり、また内容が膨れ上がってゆくことです。
つまり、比較的新しい「創作」なのですね。そのことが詳しく追究されていまして、これまた大変面白い。
 
本書は、基本的には比較文学・比較文化の立場から、多くの資料を博捜してこのテーマに迫ったものですが、
紹介されるお話の面白さと相俟って、普通の読み物としても大いに楽しめます。

高水準の読み物ですね。お薦めしましょう。

なお、主役の水戸光圀が実際にはどのような人であったのかについては、磯田道史『殿様の通信簿』(新潮文庫)をご覧ください。この本もまた傑作。
江戸初期の著名な大名たちについての“実録”に基づいた紹介で、忠臣蔵の浅野内匠頭なんかはみごとなバカ殿評価。
歴史の見方が変わるかも、ってなところですねえ。
 
以上、文は竹内康浩。釧路校図書館館長としての最後のお仕事です。
いつも図書館で働いている老若男女のみなさま、まことにご苦労様でした~。

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